バク転とは、体操のマット運動の技の一つです。正式名称は、後方倒立回転跳び(後方転回)で、バック転と呼ばれることもあります。

【バク転のコツ】
・腕を後ろへ素早く大きく振る
・膝とつま先を勢いよく伸ばして地面を蹴り、斜め後ろに勢いよく跳び出す
・目線は手をしっかりと見る
・身体を伸ばした姿勢で地面に手を着く
・足の振り下ろしと手で地面を押し返し一気に立ち上がる

【安全にバク転の練習を行うために】
以下の条件を確認しましょう。
1.補助ありで倒立(逆立ち)ができること
2.バンザイができること
3.寝た状態からブリッジができること
4.補助ができる人がいること

バク転の習得に必要な基本技

①倒立前転

バク転の習得に必要な基本技①は「倒立前転」です。

倒立前転はマット運動の基本的な技で
・自分の腕・肩で身体を支えられるようになること
・倒立前転でまっすぐな倒立姿勢を作ること
これらができるとキレイなバク転が出来るようになります。

~倒立前転のポイント~
①足をふり上げて倒立の姿勢をつくってから前転ができる
②前転するときに真下にくずれないように両手でしっかりと支えることができる
③倒立静止をしてから遠くに前転ができる

②後転倒立

バク転の習得に必要な基本技②は「後転倒立」です。

後転倒立はやや難易度の高い技ですが、これができるようになると
バク転で手を着いた時に自分の身体をしっかりと支えたり押し返す力が身に付きます。

~後転倒立のポイント~
①後転をした時に真上に向かって足を伸ばすことができる
②足を伸ばす勢いと同時に両手を伸ばすことができる
③真上に体を押し上げ倒立することができる

③側転

バク転の習得に必要な基本技③は「側転」です。

側転で得られる効果としては
・回転感覚
・回転しながらの重心移動
・腕や足を伸ばした回転運動
これらを身に付けることを目的にしています。

~側転のポイント~
①両手を揃えて横に着き、足が手の向こう側まで飛び越えることができる
②足を高く振り上げ真っすぐに側転ができる
③肘や膝を伸ばして真っすぐ遠くに側転が出来る

④ホップ側転

バク転の習得に必要な基本技④は「ホップ側転」です。

ホップ側転では
・勢いがついた状態でも肘や膝を伸ばして回転する
・ホップの勢いを利用して回転動作を行う
・スピードがついていても自分の身体をコントロールする
これらを身に付けることを目的にしています。

~ホップ側転のポイント~
①大きくジャンプしてホップから側転動作に入ることができる
②ホップの勢いを止めずに、まっすぐ側転ができる
③ホップから、ひじ、ひざを伸ばして大きく側転ができる

⑤片手側転

バク転の習得に必要な基本技⑤は「片手側転」です。

片手側転で得られる効果としては
・より速い足の振り上げ
・片手でも身体を支えたり押し返す力
・片手になった時でも重心位置のコントロールをすることができる
これらを身に付けることを目的にしています。

~片手側転のポイント~
①手前に着く手で支えて、肘が曲がらないようにできる
②腰を伸ばしたままにできる
③腰、肘、膝を伸ばしてまっすぐ側転ができる

⑥ロンダート

バク転の習得に必要な基本技⑥は「ロンダート」です。

ロンダートで得られる効果としては
・足の振り下ろしの動作
・手で地面を押し返す動作
・足の振り下ろしと地面の押し返しを同時に行う
これらを身に付けることを目的にしています。

~ロンダートのポイント~
①側転から両足を揃えて着地ができる
②空中で足を揃え、後ろを向いて着地ができる
③膝、腰を伸ばし、身体がまっすぐ起き上がって着地ができる

バク転習得の手順

①バク転ジャンプ

バク転習得の手順①は「バク転ジャンプ」です。

バク転ジャンプで得られる効果としては
・腕を勢いよく振る力
・膝とつま先を勢い良く伸ばして跳ぶ
・腕振りと足の伸ばしを利用して高く勢いよく跳ぶ
これらを身に付けることを目的にしています。

~バク転ジャンプのポイント~
①足を揃え前を向き、手をしっかり伸ばしてバンザイする
②バンザイした手を伸ばしたまま下に降ろし身体の後ろまで引く。膝は90℃ぐらいに曲げ目線を斜め下にする
③後ろに引いた手を勢いよく真上に振り上げ膝とつま先を一気に伸ばして高くジャンプする

②後ろへ真っすぐ倒れる

バク転習得の手順②は「後ろへ真っすぐ倒れる」です。

後ろへ真っすぐ倒れる練習で得られる効果としては
・後ろへ倒れたり回ることへの恐怖心の軽減
・体を伸ばした姿勢をキープする力
・手を先行して倒れていく感覚
これらを身に付けることを目的にしています。

~後ろへ真っすぐ倒れる時のポイント~
①バク転ジャンプの姿勢を作り目線は前のまま腰を伸ばし、後ろへ真っすぐ倒れる
②慣れてきたらバンザイの手を頭の後ろまで引き、手を先行して後ろへ倒れる

③ジャンプして後ろへ倒れる

バク転習得の手順③は「ジャンプして後ろへ倒れる」です。

ジャンプして後ろへ倒れる練習で得られる効果としては
・高く遠くへ跳び出す
・体を伸ばした姿勢を空中でキープする
・手を先行させながら跳び出す
これらを身に付けることを目的にしています。

~ジャンプして後ろへ倒れる時のポイント~
①バク転ジャンプで後ろのマットに向かって、遠くに跳ぶ
②空中で身体が真っすぐ伸びた状態を作れる
③身体全体が同時にマットに着地できるようにする

④補助付きで後ろへ回転

バク転習得の手順④は「補助付きで後ろへ回転」です。

補助付きで後ろへ回転で得られる効果としては
・バク転を行っている時の感覚や視界に慣れる
・体を伸ばしたまま手を着きにいく感覚
・手を着いたところから着地までの動作
これらを身に付けることを目的にしています。

~補助付きで後ろへ回転のポイント~
①目線は手と手の間を見るようにする
②手を着いたら倒立姿勢になるので腕をしっかり伸ばして地面を押す
③倒立姿勢ができたらつま先から足を下ろしてく

⑤補助ありバク転

バク転習得の手順⑤は「補助ありバク転」です。

補助ありバク転で得られる効果としては
・跳び出しから着地まで、自力で身体を動かしたり支えたりする力
・正しい形でのバク転の反復練習
・後ろへ思い切って跳ぶことへの恐怖心の軽減
これらを身に付けることを目的にしています。

~補助ありバク転のポイント~
①腕を勢いよく振り、振った手を見ながら膝とつま先を勢いよく伸ばして跳ぶ
②①が出来たら倒立姿勢を作り、腕でしっかり支える
③足はつま先から振り下ろす

⑥1人でバク転

バク転習得の手順⑥は「1人でバク転」です。

これまでの5つのステップがしっかりと出来るようになったら
いよいよ1人でバク転に挑戦です。
補助がなくなった途端に恐怖心が出てくることがありますが
自信をもって1回1回集中して実施するようにしましょう。

~1人でバク転のポイント~
①回ることばかりを考えすぎて形を崩さないこと
②上手くいかなかったり1人での実施が怖くなってしまったら無理せず手順を確認したり、補助をしてもらう
③やると決めたらとにかく思い切って挑戦すること!!

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